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大家んち
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異文化交流
気付いたら、半年くらい放置してしまった。
mixiを始めて、ちょっとした日記はそっちで書いていたり。
コメントやTBで荒れたことで、やる気が殺がれちゃったり。
でも、ここも大事にしていきたいから、時々はちゃんと表現しよう。


 二日間の研修会に参加した。他分野の大学生・大学院生が集まって、虐待について考えようという研修。虐待という共通テーマがあっても、分野が違えば捉え方も思考回路も使う言葉も言葉の意味合いも違う。すんなり伝わらないことばかりが溜まっていき、やきもきし、イライラした。話し合いたいことの、半分も話せなかった気がしてる。そこで知ったのは、自分があまりに自分の常識に生きているということ。自分の尺度で他者に接していたこと。帰って来てから、自分が本当に嫌になった。

 1日目、小児科医の先生が身体的な虐待を受けた子どもたちの画像を見せてくださった。顔や全身のアザ、火傷の跡、内出血で膨らみあがった頭やお尻、性的虐待によって子どものお腹の中にできた胎児。そういう世界を、本では知っていた。医療の現場で、虐待をどう見抜くかの知識も広まっている。けれど、実際に何枚もの画像を見ると、やはり衝撃を受けずにはいられなかった。境界のはっきりした傷は、被害者側が避けようとしなかったことを意味するとおっしゃっていた。人は攻撃を受けそうになると、反射的に身をよじる。それすらしなくなるのが、できなくなるのが、虐待なのだという現実に改めて向き合わされた。もちろん、そういった衝撃的な暴力だけが虐待じゃない。目に見えない影響を与えているアビューズは、もっと身近でもっと日常的にあるのだと思う。そして、そうした身体的虐待を受けた子どもを苦しめるのは、傷の痛みが消えても尚残る、長期的な影響だろう。
 そうした講演を聴いた後、グループに分かれて自己紹介を兼ねた話し合いが行われた。医学・法・福祉・心理・教育など、さまざまな分野の学生さんが集まった。それぞれの分野についての話が出ていたが、私はもっと虐待について話し合いたいという思いに焦りのような思いが募っていた。もっと深く、もっと真剣に、もっともっと……。考えてみれば、初めて会った人が集まり、信頼感のない中で、そうすぐに話し合いが白熱するのは難しいだろう。だけど私は、一人焦っていて、だから言葉も分かりにくく、伝わりにくくなっていただろうと思う。
 その後、懇親会に参加して、岩波新書から『児童虐待』というとてもおもしろい本を出版なさった川崎先生とお話をする機会があった(この本を出版された方だと気付いたのは後になってだけれど)。グループ討論でも、コーディネーターをしてくださった先生だった。その中で、「今日見た画像のような衝撃的なケースに直面すると、親を責めるわけにはいかないから、他分野を批判したくなってしまう。だから連携は難しい。自分の気持ちを意識しなければいけないし、自己開示できることが大事だ」というお話をしてくださった。その言葉をじわじわと考えるにつれ、私のグループ討論の中で感じた焦りやイライラは、衝撃的な虐待を目の前にして沸いた感情からきたのかもしれないと気付いた。そのメンバーさんに対する感情ではなく、虐待への怒りや悲しみや悔しさや傷付きやそうしたいろいろな感情がメンバーさんに向いていただけなのかもしれないと。
 そう気付いたのは、主催者が用意してくださったホテルの12階。大きな窓の外には、夜景がキラキラとしていた。この景色を綺麗だと思える私は、安心してここに存在していられるからなのだろう。その日見た画像に映っていた子どもたちが、いつかこういう景色を見て綺麗だと感じられる日が来るだろうか。私はこんな景色を12階から見ていていいのだろうか。泣きたくなった。悔しくて、悲しくて、もどかしくて、はがゆくて。こぼれそうな涙を噛み切った。あの子どもたちが、心から笑う日が来ると私は信じる。彼らと私は繋がっているから。虐待を受けていてもいなくても、人は人として繋がっていると感じているから。人を傷付けるのも人だけれど、人を支えるのもやっぱり人だ。そして私も、彼らに支えられて生きている。

 2日目、同じグループで事例検討と虐待予防への対策について話し合った。
 事例検討になると、異文化交流は少し通じやすくなる。それぞれの立場で、何ができるか、どう動くか、被害を受けている子どもにとって、加害をしている大人にとって、何が必要かをより具体的に語り合う時、話す言葉は専門的ではなく日常的になっていくからだろう。この専門でできること、あの専門に任せること、それらを詰めていく。もちろん、その動きの背景にある考え方が違うから、ぶつかることもあるけれど、そこを繋いでいく作業は興味深い。そうして違いを知ることは、どう繋れるかを考えられることでもある。私は、教育学を学んで、それだけじゃ足りないと感じて臨床心理学を学び始めた。最近では、脳科学・神経学も必要じゃないかと感じてる。でも、一人他分野は、どうしても限界がある。私の人生にも限界がある。他分野と連携する力を鍛えていくことが、自分の専門で力を発揮することにも繋がるのだろうと思った。
 予防についての話し合いは、慣れてきたのもあって、時間が足りなくなるほど意見が出た。現実的には、難しいだろうなぁと思うことも。もっと現実的には、それをする金はどうしようねぇと思うことも。でも、可能性をたくさん考えておくこと、選択肢を増やすことは大事だと思うから。学生だから考えられることだとも思うから。普段、ケースに向き合っている時には、現実的なことばかり考えてしまうから、そういうアイディアに出合うのはおもしろかった。でも一方で、もっと基本的なことも大事にしたいなと思う。虐待を防ぐのに、魔法みたいなやり方なんてないんじゃないかと私は思ってる。だから例えば、読み書き計算という基本的な学力をつけることだって、虐待を受けている子どものサバイヴする力となることもある。そういう、それぞれの専門分野での基本的なことを大事に丁寧に取り組んでいくことも、大事なのかなと改めて思った。

 そんなこんなの異文化交流の2日間。なんだかどっと疲れて、達成感はこの疲れを超えて参加し終えたことでかと思うほど。いやいや、いろいろと考えるいい機会になったし、得たものも多かったと思う。まだまだ頭ン中ごっちゃごちゃだから、これから少しずつ整理していきたいと思う。頑張ろうっと。


| ユキ | 21:49 | comments (2) | trackback (x) | giornale(日記) |
コメント
返事遅くなってごめんなさい!

児童家庭課になったんですか!今の時代、大変でしょうが重要な役割を担っていると思います。
確かに、DVや虐待のワーカーさんは大変だと思います。
時間は問わないし、命に直結するし、精神的にもきつい仕事ですよね。

この問題は、連携がとっても重要ですものね。
これまで、公的機関が連携を取るということを積極的にしてこなかった日本としては、0から連携の体制を作っていくという難しい時期にいるのだと思います。
子どもたちの笑顔のために、これからも頑張ってくださいね!!

ぜひぜひ、またみなさんで飲みたいですね。
仕事の話も、もっともっとお聞きしたいです。
全国研はせっかくの東京開催なので、参加しようと思っています。
ウイスキーコークさんも参加されますか?
お会いできるかもしれませんね。
| ゆっきぃ | EMAIL | URL | 07/08/31 01:14 | UXbezRm2 |

ウイスキーコークです
ほんとうに久しぶりです
私はこの4月に今までいた身体障害者の就労支援施設から、児童家庭課に異動しました。
業務は、保育所、子どもルーム、DV,児童虐待対策、児童手当、児童扶養手当、母子・寡婦自立支援、等々。
特に、DV,児童虐待対策は、フットワークが軽くなければ、取り返しがつかない事例が次々と発生しています。高齢者や障害者のケースワーカーと違って、DV,児童虐待のワーカーは、いちばんキツイ仕事をしていると思います。

夜、子どもの異様な泣き声が聞こえるという通報が入れば、時間を問わず、その家にそっと張り込みます。泣き声が聞こえたら、ドアをノックして「たまたま近くに来たんですが、お子さんの鳴き声がしましたのでお寄りしました」とその家に入り、子どもの状態を確認します。危機一髪未然にくい止めたケースもあり、その場合は、児童相談所と連携をとりながら、子どもの安全について対応を図ります。

身体的虐待だけではなく、精神的な虐待、ネグレクトも深刻なほど件数があり、対応に追われているのが現状ですが、児童家庭課を中心に、教育委員会、各小中学校、警察、病院、自治会、民生委員等、並びに児童相談所との連携を強化する協議会も立ち上げ、地域ぐるみで初期の段階で発見し対応する体制を作っています。

それはともあれ、私が子ども福祉の部署に異動するとは思っていませんでした。
県連の役員はやめましたが、個人会員として相変わらず残っています。
また、みんなで飲む機会があるといいですね。

| ウイスキーコーク | EMAIL | URL | 07/08/25 23:50 | KauZMgh. |


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